八丈島は、かつては南海の孤島、
鳥も通わぬ流人の島として知られていました。
この八丈島から生まれる織物が
黄色、樺色、黒の三色で知られる黄八丈です。
黄色を染めるのはコブナグサ(八丈刈安)、
樺色はマダミ(たぶの木)、黒は椎と泥。
これらは全て島の植物や土です。
八丈島での染めの特徴は、糸を染料の中で煮る事なく、
上から染料を回し掛けるふし染めで、一日かけて乾かします。
つまり、一日に1回しか染めることが出来ず、
1つの色を染上げるのには晴天の日を選んで
20回は染めて干す、ことを繰り返します。
雨が当たれが色が落ち、風が吹けば竿から糸が落ちてしまうので
常に誰かが糸の番をしています。
曇や雨の日が続くと
染め上がりに1ヶ月以上も要することもあります。
島の恵みを心と手間隙を掛けて糸に移すことで
あの美しい色が生まれるのです。
江戸時代は大奥で着られ、女性の憧れだった黄八丈、
去年の12月に89歳で亡くなられた
山下八百子さんの作品を中心にご紹介します。
山下さんの作品は糸が違うので
ぜひ 実物を触ってその風合いを確かめてください。
山下八百子作。
市松の紋織り。
刈安で染めていますが
優しく美しいベージュに
椎のグレーが織り込まれています。
山下八百子作
紬糸を使った
節のある黄八丈。
片身替りですがマダミ(鳶色)の
割合が半分以下なので
仕立てると大人しくなります。
細い縞になっています。
山下八百子作
椎の下染めを泥で染めた黒と
刈安を灰汁で媒染した黄色。
画像では判りにくいかもしれませんが
赤味のある、優しい黒です。
紬糸を使用した平織りで
驚くほど薄く、軽く織上がっています。
山下八百子作
極小の市松綾に織られた
マダミと刈安の片身変り。
紬を綾にしているので
一番厚みはありますが
柔らかでしなやか。
伝統工芸シールの
黄八丈組合の黄八丈。
張りと光沢があって
単衣にしても。
黄八丈らしい黄八丈です。
2012/02/03
2012/01/06
2011/11/18
2011/11/16