青戸さんの元で8年間、染や織はもちろん
自給自足の生活のなんたるかも教えられた大熊さんは
自作の紬の中に 手間隙を惜しまないことを大切にしています。![]()
藍や草木で染められた糸たち。
伺った時には 紙布の糸を紡いでいました。
帯1本織るのに 新聞紙二枚分の大きさの手漉きの和紙
(半紙より薄いです)が 50枚必要だそうです。
紡ぐ時には 帯2本分、100枚を一度に糸にするそうですが
まず その紙を同じ幅(訳5ミリ)に裁断するのが一仕事です。
それをさらに よじれたり絡まったりしない様に
箱の中に8の字に重ねていきます。
霧吹きで湿らせながら 撚りを掛けて紡いでいくのです。
前回まで手動で紡いでいたそうですが
今回から足踏み敷きのモーターを付けて少し楽になったそうです。
それでも根気と集中力の要る作業が延々と続きます。
紙布の糸は煮染にするとどうしても膨らんでしまうので
染めた後にもう一度 撚りを整えるなどの手間も掛かります。 しかし その手間が柔らかで弾力のある独特の風合いを生むのです。
← 裁断された和紙を8の字型に箱に入れたところ。
右手にあるのが糸繰り機
足踏みモーターで調節しながら
和紙に撚りをかけて糸に紡いでいきます。
この時 和紙には霧吹きで湿り気を与えながら
均一の太さになるようにします。
撚り上がった和紙の糸。
紫のは蘇芳で染めた和紙糸。
和紙は発色がきれいです。
手前のは茶棉の手引き糸。
ちょうど静岡の農家から茶綿も届いていました。
日に当てるほどに ふあふあになって空気を含むのだそうです。
これも手で紡いで糸にします。
いつまでも ずぅっと撫でていたい、そんな気持ちにさせる
棉でした。![]()
ふわっふあの国産茶棉。
奥にちょっとある白いのは
国産の白い綿花の棉。
手紡ぎの糸にこだわる大熊さんは
木綿も紙布も楮もご自分の手で紡ぎます。
そうやって織られた布の なんて優しく暖かな手触りでしょう。
体を包み込み とろりとしながら芯のある布です。
そして軽いのに驚かされます。
伺った時に機に掛かっていたのは
小千谷の麻を使った縮み。
撚りの掛かった糸を織り込んで
最後に湯揉みしてシボを出します。
これは 薄い薄いショール。
(2008.07.01)
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